通信株は「ディフェンシブ株の代表」と言われ、景気が悪くても安定した収益が期待できると考える投資家は多いでしょう。実際、NTT(9432)・KDDI(9433)・ソフトバンク(9434)は生活に欠かせない通信サービスを提供しており、契約はストック型で売上も大きくブレません。
しかし、2026年の通信株は“守りの株”とは言い切れない動きを見せています。設備投資の重さ、金利上昇、顧客獲得コストの増加、人件費インフレなど、通信業界特有の弱点が株価を押し下げているためです。
本記事では、通信株がディフェンシブと言われる理由と、その裏にある構造的なリスクを初心者向けにわかりやすく解説します。
📘 通信株がディフェンシブと言われる理由
通信株が「ディフェンシブ株」と呼ばれるのは、景気や相場環境が悪化しても収益が大きく崩れにくい特徴を持っているためです。まずは、通信業界が安定していると言われる根拠を整理します。
① 生活必需サービスで需要が落ちない
通信は電気・水道と同じ“社会インフラ”。 景気が悪くなってもスマホを解約する人はほとんどいません。
- NTT(9432)
- KDDI(9433)
- ソフトバンク(9434)
これらの企業は、景気に左右されにくい「必需サービス」を提供しているため、売上が大きくブレません。
② 契約がストック型で収益が安定している
通信会社の収益は 毎月の利用料金(サブスク) が中心。
- 契約者数は大きく減らない
- 毎月の料金が継続的に入る
- 売上が予測しやすい
この「ストック型収益モデル」がディフェンシブと言われる最大の理由です。
③ 解約率(チャーンレート)が低い
通信は乗り換えのハードルが高く、解約率が低い業界です。
- 料金プランの比較が面倒
- 家族割・セット割で縛りが強い
- 乗り換えの手続きが煩雑
そのため、契約者数が急減することはほぼありません。
④ 景気後退でも利益が急落しにくい
通信は「景気敏感株」とは逆の性質を持ちます。
- 景気が悪くてもスマホは使う
- 通信費は生活の固定費
- 法人向け通信も安定的に需要がある
このため、リーマンショックやコロナ禍でも通信株は比較的安定していました。
⑤ 高配当で“守りの投資”として人気がある
通信株は配当利回りが高く、長期保有に向いています。
- NTT:安定配当+自社株買い
- KDDI:連続増配の実績
- ソフトバンク:高配当が魅力
配当目的の投資家が多いため、株価が急落しにくい傾向があります。
✨ まとめ:通信株は“安定しやすい構造”を持つからディフェンシブ
通信株がディフェンシブと言われる理由は、
- 必需サービスで需要が落ちない
- ストック型収益で売上が安定
- 解約率が低い
- 景気後退でも利益が崩れにくい
- 高配当で長期保有されやすい
という「構造的な安定性」があるためです。
📉 通信株の弱点|ディフェンシブなのに下落しやすい理由
通信株は「安定している」と言われる一方で、2026年の相場ではNTT(9432)・KDDI(9433)・ソフトバンク(9434)がそろって下落しています。これは一時的なニュースではなく、通信業界が抱える“構造的な弱点”が表面化しているためです。ディフェンシブでありながら株価が重くなりやすい理由を整理します。
① 設備投資が巨大で、金利上昇に弱い(最大の弱点)
通信業界は「設備産業」。 基地局・光回線・データセンターなど、毎年数兆円規模の投資が必要です。
そのため、
- 借入が多い
- 金利上昇が直撃する
- 減価償却費が重い
という構造的な弱点があります。
2026年は日本の長期金利が上昇しており、通信株の利益を圧迫しています。
② 顧客獲得コスト(CAC)が急増している
スマホ契約の獲得競争が激化し、 NTT・KDDI・ソフトバンクは 販促費が急増。
- 乗り換えキャンペーン
- 端末値引き
- ポイント還元
- 広告費の増加
これらが利益率を押し下げています。
NTT(9432)は2026年3月期で 純利益を下方修正し、 理由として「CACの増加」を明確に挙げています。
③ 人件費インフレで収益性が低下している
通信は人員が多い業界で、 人件費インフレの影響を強く受けます。
- 店舗スタッフ
- コールセンター
- 保守・管理要員
- 法人営業
NTTは「人件費の増加が収益性を押し下げた」と決算で説明しています。
④ 成長産業ではなく、売上は伸びても利益が伸びにくい
通信は成熟産業で、 売上が伸びても利益が伸びない「利益なき成長」になりやすい。
理由は:
- 競争が激しい
- 料金値下げ圧力が強い
- 新規事業の収益化に時間がかかる
- 設備投資が利益を食う
NTTは売上が過去最高でも株価は下落しています。
⑤ KDDI(9433)は不正会計で信頼が低下
KDDIは2026年に 99.7%が架空取引という不正会計が発覚。
- 2,461億円の下方修正
- コンプライアンスリスク
- 投資家の信頼低下
これが通信株全体のセンチメントを悪化させています。
⑥ ソフトバンク(9434)はAI投資リスクが重い
ソフトバンクGは通信というより投資会社で、 AI関連の巨額投資が株価の不安要因に。
- OpenAI関連投資
- スターゲート構想の不透明感
- 信用取引の手じまい売り
通信株の中で最もボラティリティが高い銘柄です。
✨ まとめ:通信株は“安定しているが重い”セクター
通信株はディフェンシブと言われる一方で、
- 設備投資が巨大
- 金利上昇に弱い
- 人件費インフレ
- 顧客獲得コストの増加
- 成長産業ではない
- 不正会計や投資リスクが表面化
という弱点を抱えています。
つまり通信株は 「安定しているが、株価が伸びにくい」 という性質を持つセクターなのです。
🛡️ 通信株は守りになるのか?初心者向けの投資判断
通信株は「ディフェンシブ株の代表」として語られることが多いですが、2026年の相場ではNTT(9432)・KDDI(9433)・ソフトバンク(9434)がそろって下落しています。では、通信株は本当に“守りの投資”になるのでしょうか? 初心者が誤解しやすいポイントと、判断の基準を整理します。
① 守りになるのは“収益の安定性”であって、株価ではない
通信株は確かに収益が安定しています。
- 契約はストック型
- 解約率が低い
- 景気後退でも売上が落ちにくい
この意味では「守りの株」です。
しかし、株価が守られるとは限らないのがポイント。
株価は以下の要因で簡単に下落します:
- 設備投資の増加
- 金利上昇
- 人件費インフレ
- 顧客獲得コスト(CAC)の増加
- 不正会計(KDDI)
- 投資リスク(ソフトバンク)
つまり通信株は “収益は守りだが、株価は守りではない” という性質を持っています。
② 高配当=守りではない(配当が維持できるかが重要)
通信株は高配当で人気ですが、 「高配当=安全」ではありません。
重要なのは 配当を維持できるかどうか。
- NTT:利益率悪化で自社株買いの余力が低下
- KDDI:不正会計で財務の信頼性が揺らぐ
- ソフトバンク:投資リスクで配当余力が不安定
配当が維持できないと、株価は一気に下落します。
③ 金利上昇局面では通信株は“守りにならない”
通信株は設備投資が巨大で借入も多いため、 金利上昇はそのまま利益を削ります。
2026年は日本の長期金利が上昇しているため、 通信株はディフェンシブどころか 金利敏感株に近い動き をしています。
初心者が最も誤解しやすいポイントです。
④ 通信株は“守り”ではなく“重い”セクターになっている
通信株は安定している一方で、 株価が伸びにくい「重いセクター」になっています。
理由は:
- 成長産業ではない
- 設備投資が利益を食う
- 競争が激しい
- 新規事業の収益化が遅い
つまり通信株は 「下がりにくいが、上がりにくい」 という性質を持っています。
⑤ 初心者向けの結論:通信株は“守りの一部”として使うのが正解
通信株は以下のように使うと初心者にとって最適です:
✔ ポートフォリオの一部として安定性を補う
通信株だけに集中すると重くなるので、 高配当株・生活必需品株・インフラ株と組み合わせると安定します。
✔ 配当目的なら長期保有が前提
短期で値上がりを狙う銘柄ではありません。
✔ 金利上昇局面では慎重に扱う
金利が高い時期は通信株の弱点が出やすい。
✨ まとめ:通信株は“守りの株”だが、万能ではない
通信株は、
- 収益が安定
- 景気に左右されにくい
- 高配当で長期保有向き
という意味では守りの株です。
しかし、
- 設備投資が巨大
- 金利上昇に弱い
- 成長産業ではない
- 不正会計や投資リスクがある
という弱点もあり、 株価が守られるとは限りません。
初心者は「通信株=絶対に安全」という誤解を避け、 ポートフォリオの一部としてバランスよく組み込むことが大切です。
📝 まとめ|通信株は“安定するが万能ではない”ディフェンシブ株
通信株は、NTT(9432)・KDDI(9433)・ソフトバンク(9434)に代表されるように、生活に欠かせないサービスを提供する“必需インフラ”です。契約はストック型で解約率も低く、景気が悪くても収益が大きく崩れにくいという強みがあります。この意味では、通信株は確かにディフェンシブ株と呼べる存在です。
しかし、2026年の相場では通信株の弱点が一気に表面化しました。
- 設備投資が巨大で金利上昇に弱い
- 顧客獲得コスト(CAC)が増加
- 人件費インフレで収益性が低下
- 成長産業ではなく株価が伸びにくい
- KDDIの不正会計、ソフトバンクの投資リスクなど固有の問題
これらの要因が重なり、通信株は「安定しているのに株価は重い」という状態になっています。
初心者が覚えておくべきポイントは、 “通信株=絶対に安全”ではない ということ。
通信株はポートフォリオの安定性を補う“守りの一部”としては優秀ですが、 通信株だけに集中すると、金利上昇局面や設備投資負担で株価が伸び悩む可能性があります。
高配当で長期保有に向いている一方、 短期で値上がりを狙う銘柄ではありません。
通信株の本質を理解し、 景気敏感株・生活必需品株・インフラ株などと組み合わせて バランスの良いポートフォリオを作ることが、初心者にとって最も安全な投資戦略です。
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